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国東時間

六年前、私は「国東時間」を発表しました。当時から週休三日制ばかりが注目されてきましたが、本来の意は別にあります。

 

 『(時間の質は均一ではない。それぞれの地域にはその地域固有の)国東には国東の固有の時間が流れているはずだ。その時間を積極的に身体に取り込みながら、国東半島の風土文化の最も古い地層に直接根をおろして、ふたたび豊かな地域社会を組み立てることができるはずだ。』

 

これが「国東時間」の考え方です。

 

この場所に流れている「時間」は今生きている私たちだけのものではありません。すでに逝きこの地に眠る人、そしてこれからこの地に生まれ出でようとする人。つまり「今いる人、もういない人、まだいない人」にとって同時的に時は流れているのです。

 

もっとも重要なのは二つの境界部分、つまり「死」と「生」のポイントです。この二つの境界部分に私たちの持てるリソースを集中することで、今いる私たちの世界がとても豊かに結実していくのだと私は考えます。循環する自然の中で、私たちの「死」を丁寧に扱うこと、安心して眠れる場所を確保することが、「生」のポイントをも賦活するはずです。