選挙日誌7日目:組織票対個人票
正直言って僕には今でも「組織票」というものが理解できないでいる。選挙地盤も同様だ。本来の民主主義における選挙というものは個人がそれぞれに立候補者の主張について考え判断し、投票するものだと理解している。これはかつてイデオロギーが対立していた時代にあっても同じ。特定の政治団体や宗教団体に属していても同じ、投票行動は常に個人に委ねられてきた。
であるからこそ今回の「僕の選挙」は組織によるあらゆる支援も推薦も頼まずに、個人に向けて発信する方法を選んだ。実際に事前準備や告示日に証紙貼りやポスター貼りの作業を手伝ってもらったのは主に選挙区外の友人たちだ。福岡から駆けつけてくれたムサビの後輩もいる。
通常であれば立候補者が出る地域のご近所さんたちが一致団結して「エイ・エイ・オー」となるところなのだが、僕の自宅アトリエ/選挙事務所の周りは現職県議の木付さんの地盤でもある。普段お祭りなどで仲良くしてもらっている小父さんたちは皆対立候補の後援会の幹部なのです。だから選挙区内で最も風当たりの強い暴風圏内にひとり選挙事務所を構えているようなものなのだ。もっともこれは最初からわかっていたことで、出馬表明の記事が新聞に出る前には「なんか、お騒がせします」と挨拶に回った。みんな笑いながら「こまったのー」と。それ以後も胃の痛くなる場面が何度もあったが、今ではすっかり慣れてしまった。かえって地盤がないほうが、オリジナルの「僕の選挙」ができてよかったかもしれない。僕の苦手な「エイ・エイ・オー」や「バンザイ」もやらずに済むわけだし。。
それでも組織票は存在するらしい、考えられるのは損得勘定だけである。つまり既得権益を守るために支援応援するということだ。実際に選挙後に利益誘導が行われることはこの時代にあっては、まずあり得ないだろう。要は不安から生じる錯覚なのだ。こっちについていたほうが安全だ、という感覚。
僕は出馬を決めてから「よろしくお願いします」という言葉を封印した。これは選挙期間に入っても同様だ。考えてみたら「よろしくお願いします」というフレーズはとっても曖昧な言葉です。何をお願いしているのかわからない。状況によって異なるが、こういう選挙みたいな損得勘定が働く場合には「みなまで言わないから忖度してくれよ」というニュアンスが近いかもしれない。悪い意味で日本的”なーなー”のコミュニケーション。弱い同調圧力。だから、やめた。
事前の挨拶回りもしなかった。「よろしくお願いします」をやめたからだ。よく選挙前になっていきなり挨拶に来る現職議員が過去にもいたが、受けるほうも決していい気分のものではない。「まったくこの人は、選挙のときだけ・・・」となってしまう。選挙ハガキも結局、使わなかった。全ての世帯に送付することは不可能なので、送ったところと送らなかったところができる。だから、やめた。
だから残されたツール、選挙ポスターと選挙ビラ、そして全世帯に配られる選挙公報に僕の持てる99パーセントの力を注ぎ込んだ。そして残る1パーセントは毎日更新するこのオフィシャルサイトなのです。
そもそも選挙というのは立候補者が投票をお願いするものではないだろうと考える。主役はあくまで有権者なのだから。僕の有権者に対する切なる願いは、地方選挙も国政も同じ。投票は人から頼まれたからではなく、地縁・血縁・利害関係・同調圧力によらずに、自分自身で考えて地域の将来を託せると思う人を選んでください、という一点だけです。
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